2014年度ドラフト会議で指名された選手たちの、1年目のシーズンが終了した。各球団、新人選手がどのように過ごしたのか?順調にいったのか、そ れとも、思うようにいかずに終わってしまったのか。今後の球団の未来を占うにあたり、気になるところである。ここでは、その新人選手たちの残した成績を振 り返り、順調度を測りたいと思う。なお、育成枠の選手は入れていない。今度はセ・リーグ。
画像引用元:http://number.bunshun.jp/articles/-/824787
ヤクルト
1位…竹下真吾
1軍:登板なし
2軍:19試合 3勝1敗 18.2回 9奪三振 防御率9.16
2位…風張蓮
1軍:1試合 0勝0敗 0.1回 0奪三振 防御率0.00
2軍:12試合 1勝6敗 52.1回 38奪三振 防御率3.96
3位…山川晃司
1軍:出場なし
2軍:69試合 .209(182-38) 2本 13打点 2盗塁 ops.491
4位…寺田哲也
1軍:1試合 0勝0敗 3.0回 3奪三振 防御率0.00
2軍:25試合 2勝5敗 59.2回 42奪三振 防御率4.53
5位…中元勇作
1軍:登板なし
2軍:42試合 2勝4敗 34.2回 22奪三振 防御率4.67
6位…土肥寛昌
1軍:登板なし
2軍:37試合 3勝2敗 42.2回 19奪三振 防御率5.91
7位…原泉
1軍:出場なし
2軍:101試合 .177(333-59) 6本 26打点 1盗塁 ops.537
社会人で即戦力と期待されている選手たちが軒並み期待はずれに終わってしまったヤクルトのルーキーイヤー。1位の竹下は怪我もあり1軍登板なし。2軍でも打ち込まれており、来季への期待は見込めないまま。風張も、1軍初登板で危険球退場すると、2軍でも防御率3.96と、力を発揮できぬまま終わった。4位の寺田、5位の中元、6位の土肥も、年齢を考えると1年目から結果が求められる立場。それにもかかわらず、2軍ですら投球もままならない内容では、来期以降の展望も描けない。7位の原は、大砲候補でホームランも6本放ち、パンチ力があるところを見せたが、打率が極端に悪く、対応力に疑問が残る。唯一希望があったのは3位の山川で、高卒ルーキー捕手として69試合に出場し、打率も2割を超えた。将来的には現正捕手の中村悠平を脅かすことができる立場にいる。山川以外は、とても順調な1年目を過ごしたとは言いがたい結果に終わった。
順調度:
巨人
1位…岡本和真
1軍:17試合 .214(28-6) 1本 4打点 2盗塁 ops.612
2軍:69試合 .258(240-62) 1本 16打点 1盗塁 ops.661
2位…戸根千明
1軍:46試合 1勝1敗 40.2回 39奪三振 防御率2.88
2軍:11試合 0勝1敗 11.1回 12奪三振 防御率0.79
3位…高木勇人
1軍:26試合 9勝10敗 163.2回 131奪三振 防御率3.19
2軍:1試合 0勝0敗 6.1回 2奪三振 防御率0.00
4位…田中大輝
1軍:登板なし
2軍:登板なし
4位指名の田中は、ケガが芳しく、今オフに育成枠に降格。しかし、それ以外の3名は、順調な1年目を過ごした。1位の岡本は1軍にも昇格し、プロ初本塁打を記録。2軍でも打率.258と、期待以上の対応力を示した。しかし、大砲候補として、本塁打1本は物足りない気もする。2位の戸根は中継ぎとして46試合に登板。防御率も2.88と、左腕リリーフとして貴重な戦力となった。3位の高木も、先発ローテとして活躍。後半失速したことが悔やまれるが、それでも1年間ローテーションを守り、防御率3.19は立派な数字。こうしてみると、未来の大砲、即戦力左腕リリーフ、即戦力先発と、かなり良い補強をしたことがわかる1年目だった。
順調度:
阪神
1位…横山雄哉
1軍:4試合 0勝2敗 13.1回 12奪三振 防御率6.75
2軍:16試合 6勝4敗 91.1回 77奪三振 防御率2.36
2位…石崎剛
1軍:8試合 0勝0敗 11.1回 11奪三振 防御率7.15
2軍:29試合 5勝10敗 51.1回 54奪三振 防御率4.21
3位…江越大賀
1軍:56試合 .214(168-36) 5本 16打点 2盗塁 ops.637
2軍:48試合 .309(188-58) 8本 20打点 6盗塁 ops.864
4位…守屋功輝
1軍:登板なし
2軍:15試合 1勝3敗 30.1回 15奪三振 防御率4.75
5位…植田海
1軍:出場なし
2軍:51試合 .200(125-25) 1本 5打点 6盗塁 ops.502
1位の横山は1軍では結果を残せなかったものの、2軍では好成績を残した。もう一歩レベルアップすれば、来季はローテーション候補として期待が持てる。3位の江越も、1年目から外野のレギュラー争いに食い込み、5本塁打とパンチ力を発揮。2軍ではOPSが8割を超え、来年はレギュラー候補の一角として期待が持てる。5位の植田は、高卒ルーキーとしては2軍で2割を打っており、評価としてはそこそこといったところか。一方で、2位の石崎は2軍でも防御率4.21と好成績とは言えない結果に。来季26歳だが、どこまで持ち直せるか?4位の守屋も、即戦力としての期待に応えられず、1軍での登板はなし。2軍でも、4.75と全く通用しなかった。全体的にレベルを上げないと、来季もきついか。ドラフトとしては、全体的に1軍でバリバリ成績を残したというより、来季以降に期待を持たせる選手が多かった。ただ、石崎と守屋は誤算であり、来季以降の復活に期待したい。
順調度:
広島
1位…野間峻祥
1軍:127試合 .241(170-41) 1本 10打点 8盗塁 ops.656
2軍:5試合 .409(22-9) 0本 2打点 4盗塁 ops1.000
2位…薮田和樹
1軍:6試合 1勝2敗 25.0回 18奪三振 防御率5.76
2軍:12試合 6勝1敗 57.2回 65奪三振 防御率2.50
3位…塹江敦哉
1軍:登板なし
2軍:7試合 1勝1敗 22.0回 11奪三振 防御率2.45
4位…藤井皓哉
1軍:登板なし
2軍:6試合 0勝0敗 10.1回 11奪三振 防御率3.48
5位…桑原樹
1軍:出場なし
2軍:46試合 .179(112-20) 0本 9打点 9盗塁 ops.458
6位…飯田哲矢
1軍:16試合 0勝0敗 17.0回 11奪三振 防御率2.65
2軍:22試合 1勝0敗10S 21.2回 22奪三振 防御率2.49
7位…多田大輔
1軍:出場なし
2軍:出場なし
1位の野間は我慢して起用していたという印象が強く、絶対的な数字とはいえない。それでも100試合以上出場した経験を、来季以降活かせるだけのポテンシャルは持っているはずなので、期待したいところ。2位の薮田は、1軍では打たれはしたが初勝利も経験。2軍ではものの違いを見せた。来季は1軍を期待したい内容である。3位の塹江と4位の藤井も、登板数こそ少ないが、数字としては良いでき。両者とも高卒であり、将来が期待できる内容を示した。6位の飯田は、主に中継ぎとして防御率2点台を記録。2軍でも2点台・最多セーブを記録した。来季は、1年間通して、貴重な左のリリーフとして期待できる。7位の多田はケガでもしていたのか、それとも1年間体つくりをしていたのか、2軍でも出場は0。試合に出ていないので、全くコメントのしようがない。5位の桑原は左の好打者タイプだが、対応に苦労した。本塁打も0に終わっている。総合的に力が不足しており、更なるレベルアップが求められるところ。全体的には来季以降期待を持たせる選手も多く、ドラフトが良い形を見せているのではないだろうか。
順調度:
中日
1位…野村亮介
1軍:3試合 0勝0敗 2.2回 1奪三振 防御率10.13
2軍:14試合 1勝2敗 34.1回 23奪三振 防御率3.41
2位…浜田智博
1軍:1試合 0勝0敗 0.2回 2奪三振 防御率40.50
2軍:22試合 3勝2敗 51.0回 28奪三振 防御率4.59
3位…友永翔太
1軍:7試合 .056(18-1) 0本 0打点 2盗塁 ops.161
2軍:82試合 .231(281-65) 1本 19打点 12盗塁 ops.643
4位…石川駿
1軍:7試合 .056(18-1) 0本 0打点 2盗塁 ops.161
2軍:19試合 .047(43-2) 0本 1打点 0盗塁 ops.243
5位…加藤匠馬
1軍:3試合 .000(0-0) 0本 0打点 0盗塁 ops.000
2軍:46試合 .228(79-18) 1本 4打点 1盗塁 ops.534
6位…井領雅貴
1軍:9試合 .000(7-0) 0本 0打点 0盗塁 ops.000
2軍:78試合 .270(241-65) 1本 19打点 0盗塁 ops.670
7位…遠藤一星
1軍:41試合 .271(140-38) 4本 14打点 3盗塁 ops.734
2軍:30試合 .276(116-32) 1本 14打点 3盗塁 ops.811
8位…山本雅士
1軍:3試合 0勝0敗 4.1回 2奪三振 防御率10.38
2軍:26試合 0勝1敗 23.0回 13奪三振 防御率2.35
9位…金子丈
1軍:10試合 0勝0敗 13.2回 12奪三振 防御率3.95
2軍:29試合 1勝4敗 31.1回 31奪三振 防御率5.17
即戦力が中心の社会人メインのドラフトで、存在感を示すことが出来たのは7位の遠藤のみ。後半ショートのレギュラーにも定着し、来季に期待が持てる。8位の山本は、1軍では結果が出なかったが2軍では26試合で2.35と安定。年齢も若いので、更なる上積みをし、来季はリリーフとして1軍に定着したい。5位の加藤は、大卒ルーキー捕手としてはやや少ないか。スローイングはチーム屈指のものがあるだけに、ここからどう1軍に食い込んでいけるか?1位の野村は1軍では全く通用せず、2軍でも3点台半ばと平凡な成績に終わってしまう。ここから来季どこまで登りつめられるかがあまり見えてこず、どう転ぶか不明。2位の浜田も、2軍でも打ち込まれた結果に。3位の友永、4位の石川、6位の井領は1年目から結果が欲しかったが、どれも微妙な成績に。井領は2軍ではそこそこの成績だが、年齢や強打者というタイプを考慮すると、いまいちパンチに欠ける内容。9位の金子も、1軍ではそこそこの成績も、2軍では5点台。指名順位を考えると、存在感を示していかないと厳しい立場にいるだけに、来季は2軍での結果を残したいところ。全体としては、即戦力ドラフトにかかわらず、チームの戦力を刺激した選手が少ないのが現状。来季どれだけ巻き返せるかに注目したい。
順調度:
DeNA
1位…山崎康晃
1軍:58試合 2勝4敗37S 56.1回 66三振 防御率1.92
2軍:登板なし
2位…石田健大
1軍:12試合 2勝6敗 71.2回 58奪三振 防御率2.89
2軍:10試合 2勝4敗 50.0回 46奪三振 防御率3.24
3位…倉本寿彦
1軍:102試合 .208(245-51) 2本 20打点 0盗塁 ops.493
2軍:17試合 .203(64-13) 1本 6打点 0盗塁 ops.552
4位…福地元春
1軍:13試合 0勝0敗 15.2回 16奪三振 防御率2.87
2軍:23試合 2勝1敗 26.0回 34奪三振 防御率2.42
5位…山下幸輝
1軍:23試合 .238(42-10) 0本 2打点 0盗塁 ops.524
2軍:75試合 .247(283-70) 3本 25打点 8盗塁 ops.657
6位…百瀬大騎
1軍:出場なし
2軍:73試合 .154(123-19) 0本 4打点 3盗塁 ops.496
7位…飯塚悟史
1軍:登板なし
2軍:5試合 1勝0敗 15.0回 9奪三振 防御率0.60
1位の山崎は2軍で登板することなく、年間通してクローザーに定着。新人王を獲得する活躍をした。成績も文句なしであり、来季も守護神としての期待がかかる。2位の石田は試合数こそ少なかったが、安定した成績を残した。2軍でも、防御率3点台前半とそこそこの成績を残しており、来季は年間通してのローテーション定着を目指したい。3位の倉本は、守備でこそ貢献するものの、打撃では対応力に課題を残した。来季は打撃での対応力を上げ、レギュラー定着を狙いたい。4位の福地はリリーフとして一定の成績を残す。2軍でも、2点台前半と圧倒しており、リリーフ左腕として1軍定着を図りたい。5位の山下は1軍出場も果たし、2軍でも75試合に出場。成績が中途半端であり、来季ここにどれだけ上積みができるかが課題。6位の百瀬は、出場機会こそ得られたものの、打撃に課題を残す。武器の走塁も3つに終わり、全体的なレベルアップが必要。7位の飯塚は5試合の登板に終わるも、内容は圧倒している。来季は2軍でローテーション、後半には1軍も見えてくるのではないだろうか。全体としては、ドラフトの評判も良かったが、こと1年目も、評判通りの結果を残したといえる。
順調度:
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