【ルーキー回顧】2014年ドラフト指名された新人選手を振り返る パ・リーグ編

2014年度ドラフト会議で指名された選手たちの、1年目のシーズンが終了した。各球団、新人選手がどのように過ごしたのか?順調にいったのか、それとも、思うようにいかずに終わってしまったのか。今後の球団の未来を占うにあたり、気になるところである。ここでは、その新人選手たちの残した成績を振り返り、順調度を測りたいと思う。なお、育成枠の選手は入れていない。最初はパ・リーグ。

画像引用元:http://news.mynavi.jp/news/2015/12/07/525/

ソフトバンク

1位…松本裕樹
1軍:登板なし
2軍:登板なし

2位…栗原陵矢
1軍:出場なし
2軍:5試合 .250(8-2) 0本 0打点 0盗塁 ops.583

3位…古澤勝吾
1軍:出場なし
2軍:58試合 .201(154-31) 1本 19打点 0盗塁 ops.499

4位…笠谷俊介
1軍:登板なし
2軍:1試合 0勝0敗 1.0回 2奪三振 防御率0.00

5位…島袋洋奨
1軍:2試合 0勝0敗 2.0回 2奪三振 防御率0.00
2軍:9試合 1勝0敗 11.0回 14奪三振 防御率2.45

5位の島袋以外は全員高卒。そのため、ドラフト本会議指名選手はほとんど1軍出場なしとなっている。出場試合が少ない選手は3軍をメインに出場。唯一1軍出場のあった島袋。中央大学4年次はまともに投球ができず、プロに入ってからも序盤は3軍でも四球連発で全く投球にならなかった。それでも、シーズン後半には2軍に昇格し、防御率2.45にまとめあげ、1軍にも昇格。この島袋の立て直しは立派なものだ。一方で、1位指名の松本は全く出場なしに終わっている。元々、怪我の状況を考慮してのリハビリ込みでの獲得ではあったが、来シーズンに向けてどうなのか?投球練習を再開したとの情報はあるが、来季実戦でどれだけ投げられるかわからない。栗原、古澤、笠谷は、2軍・3軍でそこそこ出場しており、順調な1年を歩んだだけに、松本の来年が気がかり。

順調度:

日本ハム

1位…有原航平
1軍:18試合 8勝6敗 103.1回 81奪三振 防御率4.79
2軍:5試合 0勝2敗 23.0回 21奪三振 防御率1.17

2位…清水優心
1軍:1試合 .000(2-0) 0本 0打点 0盗塁 ops.000
2軍:83試合 .222(230-51) 3本 18打点 2盗塁 ops.563

3位…浅間大基
1軍:46試合 .285(130-37) 0本 10打点 4盗塁 ops.683
2軍:65試合 .300(260-78) 7本 37打点 11盗塁 ops.800

4位…石川直也
1軍:登板なし
2軍:12試合 1勝1敗 20.0回 13奪三振 防御率7.65

5位…瀬川隼郎
1軍:9試合 0勝0敗 10.2回 9奪三振 防御率3.38
2軍:21試合 1勝1敗 25.0回 19奪三振 防御率3.60

6位…立田将太
1軍:登板なし
2軍:8試合 0勝1敗 12.2回 7奪三振 防御率7.82

7位…高濱祐仁
1軍:1試合 .000(2-0) 0本 0打点 0盗塁 ops.000
2軍:109試合 .256(390-100) 6本 48打点 1盗塁 ops.702

8位…太田賢吾
1軍:出場なし
2軍:93試合 .237(304-72) 2本 18打点 2盗塁 ops.589

9位…佐藤正尭
1軍:出場なし
2軍:56試合 .164(116-19) 1本 8打点 0盗塁 ops.478

1位の有原は開幕には間に合わなかったが、ローテ入りし8勝。新人王を獲得した。清水、高濱も2軍では成績を残し、1軍も経験。淺間も想像以上の活躍を見せた。1軍出場はなかったものの、太田も2軍では高卒ルーキーとしては好成績。石川、立田が自身の投球をできていなかったことが気にかかるか。瀬川は即戦力候補としては試合数が少ない。年齢が年齢だけに、来季は登板数を増やしたい。9位の佐藤は残念ながらこのオフ戦力外となってしまった。全体としては、1年目から試合に出させる日ハムの教育方針通り、一通り試合に出場。高卒野手陣は期待以上。有原も、即戦力の前評判通り、防御率は改善したいが、新人王を獲得した。かなり順調な1年目だったといっていいだろう。

順調度:

ロッテ

1位…中村奨吾
1軍:111試合 .230(269-62) 5本 21打点 4盗塁 ops.610
2軍:5試合 .350(20-7) 1本 3打点 0盗塁 ops.931

2位…田中英祐
1軍:2試合 0勝1敗 6.0回 5奪三振 防御率13.50
2軍:9試合 2勝3敗 40.0回 20奪三振 防御率5.63

3位…岩下大輝
1軍:登板なし
2軍:2試合 0勝0敗 2.0回 0奪三振 防御率4.50

4位…寺嶋寛大
1軍:出場なし
2軍:54試合 .230(74-17) 2本 8打点 0盗塁 ops.625

5位…香月一也
1軍:出場なし
2軍:93試合 .227(299-68) 3本 22打点 2盗塁 ops.562

6位…宮崎敦次
1軍:登板なし
2軍:9試合 1勝0敗 7.1回 6奪三振 防御率12.27

7位…脇本直人
1軍:出場なし
2軍:99試合 .187(187-35) 3本 21打点 4盗塁 ops.526

1位の中村は111試合に出場。チームの中でも存在感を示した。しかし、京大・田中はここまで通用しなかったのは予想外。2軍でも5点台と、数字的にも全体的にレベルアップしないと来季も苦しい。岩下はケガでほぼ登板できず。寺嶋は大卒ルーキー捕手ならば、もう少し出場試合があってもよかったのではないだろうかと思ってしまう。6位の宮崎も、大卒1年目としての成績は失格レベルで、大きく立て直しをしなければならない。5位の香月、7位の脇本は高卒ルーキーとしてはまずまず。香月は予想以上の対応力を示したものの、脇本は、このタイプにしては盗塁数が少ないのが気にかかるところ。失敗数も成功を上回る6。健大高崎時代はバシバシ決めていただけに、心配な部分である。

順調度:

西武

1位…高橋光成
1軍:8試合 5勝2敗 44.0回 22奪三振 防御率3.07
2軍:13試合 4勝4敗 61.0回 52奪三振 防御率3.69

2位…佐野泰雄
1軍:2試合 0勝0敗 5.0回 4奪三振 防御率5.40
2軍:27試合 0勝2敗 53.0回 29奪三振 防御率4.08

3位…外崎修汰
1軍:43試合 .186(97-18) 1本 4打点 9盗塁 ops.488
2軍:70試合 .258(244-63) 3本 19打点 27盗塁 ops.693

4位…玉村祐典
1軍:登板なし
2軍:14試合 1勝2敗 22.2回 20奪三振 防御率7.94

5位…山田遥楓
1軍:出場なし
2軍:48試合 .184(76-14) 1本 5打点 2盗塁 ops.458

1位の高橋光成はシーズン後半に昇格すると、8月の月間MVPに輝く。勢いで抑えた感が強いため、成績的にもう少し上積みがほしいが、1年目としては十分。3位の外崎も、2軍では27盗塁と、得意の足で勝負出来た。来季に向けて、打撃が課題か。5位の山田は素材型高卒ルーキーとしてはまずまずの成績だが、俊足選手としては盗塁数が少なかった。問題は2位の佐野。期待された割には、1軍はおろか、2軍でも防御率が4点台と、大卒ルーキーとしては物足りない成績に終わってしまっている。奪三振数も少なく、全体的にレベルアップしないときつい。4位の玉村も、異色の選手ではあるが、防御率が7点台と全く数字を残せなかった。全体としては、まぁまぁの1年目といったところか。

順調度:

オリックス

1位…山崎福也
1軍:17試合 3勝6敗 57.2回 35奪三振 防御率4.53
2軍:10試合 2勝4敗 56.1回 31奪三振 防御率2.72

2位…宗佑磨
1軍:出場なし
2軍:16試合 .333(21-7) 0本 1打点 0盗塁 ops.888

3位…佐野皓大
1軍:登板なし
2軍:17試合 0勝8敗 55.2回 25奪三振 防御率7.28

4位…高木伴
1軍:7試合 0勝0敗 9.2回 6奪三振 防御率7.45
2軍:29試合 1勝2敗 36.2回 31奪三振 防御率4.91

5位…齋藤綱記
1軍:登板なし
2軍:8試合 0勝3敗 10.0回 12奪三振 防御率14.40

6位…坂寄晴一
1軍:1試合 0勝0敗 0.2回 1奪三振 防御率27.00
2軍:29試合 2勝4敗 57.0回 25奪三振 防御率4.42

7位…西野真弘
1軍:57試合 .304(191-58) 3本 22打点 9盗塁 ops.773
2軍:3試合 .333(9-3) 0本 0打点 1盗塁 ops.833

8位…小田裕也
1軍:31試合 .326(89-29) 2本 6打点 6盗塁 ops.822
2軍:66試合 .239(138-33) 1本 15打点 4盗塁 ops.656

9位…鈴木優
1軍:登板なし
2軍:30試合 0勝1敗 35.2回 27奪三振 防御率5.30

オリックスは、7位8位の西野・小田の社会人コンビが期待以上の活躍。特に西野は途中のケガでのリタイヤが残念だったが、一時期新人王候補にも上がるほどの活躍。両者とも、来季に期待が持てる。一方で、その他はイマイチ。1位の山崎は、登板機会は与えられたものの、1軍では結果を残せず。2軍では好成績を残しているが、絶対的とは言いがたい数字に。2位の宗はケガで出場機会が望めず。しっかり体つくりをして、来季戦いたいところ。3位の佐野、5位の齋藤は2軍で全く通用せず。4位の高木や6位の坂寄も、即戦力リリーフとして期待されていただけに、残した成績はイマイチだった。特に、高木は1年目から40試合ほど見込める選手なだけに、残念な結果に。9位の鈴木は、育成枠みたいなもので、完全に素材型なので、こんなところだろうか。ある程度高卒としても期待されていた佐野の成績を全て上回っており、なんとも皮肉なところだ。

順調度:

楽天

1位…安樂智大
1軍:1試合 1勝0敗 6.0回 4奪三振 防御率0.00
2軍:19試合 4勝1敗 49.0回 35奪三振 防御率2.57

2位…小野郁
1軍:4試合 0勝0敗 5.0回 0奪三振 防御率14.40
2軍:22試合 3勝2敗 43.2回 38奪三振 防御率3.09

3位…福田将儀
1軍:67試合 .216(185-40) 1本 12打点 5盗塁 ops.547
2軍:39試合 .209(110-23) 0本 6打点 10盗塁 ops.533

4位…ルシアノ・フェルナンド
1軍:39試合 .192(78-15) 1本 7打点 0盗塁 ops.506
2軍:67試合 .287(223-9) 9本 40打点 1盗塁 ops.816

5位…入野貴大
1軍:19試合 1勝1敗 28.0回 24奪三振 防御率4.18
2軍:31試合 4勝2敗10S 41.0回 35奪三振 防御率1.98

6位…加藤正志
1軍:9試合 0勝0敗 13.1回 3奪三振 防御率4.73
2軍:15試合 2勝3敗 35.2回 23奪三振 防御率3.53

7位…伊東亮大
1軍:8試合 .273(22-6) 2本 2打点 1盗塁 ops.895
2軍:69試合 .237(152-36) 2本 19打点 10盗塁 ops.656

1位の安樂は、ケガで出遅れ、終盤昇格するもプロ初登板初先発で見事初勝利した。本来の力を考えると、2軍の成績もまだ物足りないだけに、来年期待したいところ。2位の小野も、1軍でこそ打たれて入るが、2軍の成績は高卒ルーキーとしては優秀な数字。更なる上積みを期待し、一歩一歩登って行きたい。4位のフェルナンドは、1軍でこそ目立った活躍はできなかったが、2軍ではOPS8割を超える成績。できれば10本以上打って欲しかったが。将来の主砲候補として今後も期待できる数字を残した。一方で、3位の福田は、出場試合こそ67試合に出ているが、数字は期待込みで起用されたのかなという印象。2軍での成績もいまいちで、来季は飛躍できるか微妙。6位の加藤は年齢が年齢だけに、1年目から数字が求められる立場だったはず。それに反しこの成績は厳しいか。5位の入野は、2軍では圧倒的な数字を残す一方で、1軍ではピリッとせず。こちらも年齢が年齢だけに、来年は1軍でも数字を残したい。7位の伊東は1軍で2本のホームランを放ち存在感を見せた。しかし、2軍での数字は思ったより悪く、来季はどれだけ上積みできるかわからない。全体としては、思った成績を残せられなかった選手が多く、それがチーム成績にも反映されてしまった形。

順調度:

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